秋冬の薬用植物をご紹介します。

薬草園研究室

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サフラン
Crocus sativus アヤメ科(Iridaceae)
南ヨーロッパ原産の植物で,柱頭は日本薬局方収載の生薬【サフラン】.鎮痛,通経薬として利用されるが,妊婦には禁忌.また高価な香辛料としても知られ,パエリヤなどに使用される.江戸末期に渡来し,一般には秋咲クロッカスとして観賞用に栽培されている.

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イヌサフラン
Colchicum autumnale イヌサフラン科(Colchicaceae)
以前はユリ科に分類されていたヨーロッパ中南部から北アフリカ原産の球根植物.種子や根茎に人体に有害なアルカロイド(コルヒチン)を含み,姿がよく似ているギョウジャニンニクの葉との誤食で死亡例もある.ただし,コルヒチンは痛風治療薬であり,また種子を作らない植物の作出に利用されている.

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フジバカマ
Eupatorium japonicum キク科(Asteraceae,Compositae)
中国原産の多年草で,奈良時代に薬草として渡来.秋の七草としても知られる準絶滅危惧植物.サワヒヨドリ,ヒヨドリバナに姿が類似している.生体はほぼ無臭であるが,乾燥すると含有されるクマリン配糖体が分解されて,甘い香り(桜餅様)がする.浴用剤として皮膚のかゆみに用いられる.利尿作用もあるが,ピロリジジンアルカロイドを含むため多用はしない.

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チャノキ
Camellia sinensis ツバキ科(Theaceae)
原産地には諸説あり,インド,中国南部が有力,薬用として数回にわたり渡来し,自然林に入り込んで各地で野生化している.栽培のために刈り込まれるが,3m程の高木.葉は日本薬局方外生薬規格に【チャヨウ】として収載.カフェイン,テオフィリンなどのアルカロイドを含む.加工法により,緑茶,紅茶,ウーロン茶などがあり,奥が深い.

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クコ
Lycium chinense ナス科(Solanaceae)
東アジア原産の落葉低木.日本薬局方に【枸杞子(果実),地骨皮(根皮)】,日本薬局方外生薬規格に【枸杞葉(葉)】として収載され,古くから果実や葉は強壮作用を期待して,根皮は血圧降下を期待して利用されてきた,近年,果実はスーパーフードとして,ゴジベリーの名で注目されている.アルカロイド(ベタインなど)を含むため,摂取量には注意が必要.

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カワラナデシコ
Dianthus superbus var. longicalycinus ナデシコ科(Caryophyllaceae)
日本在来の植物で秋の七草として知られ,江戸時代に品種改良が行われた古典園芸植物の一つで大和撫子の別名をもつ.南ヨーロッパ原産のカーネーション(別名: オランダナデシコ)は,同属種の関係.種子(瞿麦子)は,むくみの時の利尿剤として利用される.