研究概要
岐阜薬科大学薬理学研究室の徳村和也大学院生・日本学術振興会特別研究員(研究当時)、岐阜薬科大学薬理学研究室・岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科・岐阜大学高等研究院 One Medicine トランスレーショナルリサーチセンター(COMIT)の檜井栄一教授らの研究グループは、山梨大学医学部附属病院の市川二郎特任准教授との共同研究により、骨肉腫の"がん幹細胞"の幹細胞性や腫瘍形成能を制御する因子・シグナルを発見しました。
骨肉腫は、骨にできる悪性腫瘍の中で最も発生頻度が高い腫瘍(がん)です。骨肉腫の治療における問題点の一つに"がん幹細胞"の存在が挙げられます。"がん幹細胞"は、がん細胞の親玉(悪玉)のような存在であり、治療抵抗性を持つことが大きな特徴です。したがって、"がん幹細胞"の制圧が、骨肉腫の根治に貢献することが期待されます。しかしながらこれまでに、「どの因子・シグナルをターゲットにすることで、骨肉腫の"がん幹細胞"を制圧できるのか?」について、詳細は明らかになっていませんでした。
研究グループは、骨肉腫の"がん幹細胞"では、Pyruvate dehydrogenase kinase 1 (PDK1)という因子が高発現していることを発見しました。そして、PDK1による細胞内エネルギー代謝のバランス調節が、骨肉腫の"がん幹細胞"の幹細胞性や腫瘍形成能に重要であることを明らかにしました。
本研究成果は、"がん幹細胞"のPDK1や細胞内エネルギー代謝シグナルが骨肉腫の治療における有望な創薬ターゲットとなることを明らかにしたものであり、骨肉腫だけでなく、様々な難治性がんの「根治」を指向する「がん幹細胞標的薬」の創製に繋がることが期待されます。
本研究成果は、米国学術雑誌『Cell Death & Disease』に掲載されました(オンライン版公開日:日本時間2025年7月30日)。
記事掲載リンク
2025年8月6日 日経バイオテク
岐阜薬科大など、がん幹細胞の"ゲートキーパー"を発見 ー「骨のがん・骨肉腫の根治」へ ー:日経バイオテクONLINE
2025年8月6日 AFPBB News
