岐阜薬科大学の中村信介准教授と原英彰学長、生産開発科学研究所の眞岡孝至理事の3人の共同研究から、 長良川を代表する魚「アマゴ」「サツキマス」の体色に影響する成分が明らかになりました。
木曽三川に生息するアマゴの一部は伊勢湾に降海してサツキの花が咲きだす5月ごろ木曽川、長良川、揖斐川を遡上するためサツキマスと呼ばれます。
サツキマスには伊勢湾に降海するタイプと河口までしか行かないタイプ(「戻りシラメ」と呼ばれます)があり、研究では、この2種類のサツキマスに天然のアマゴを加え、体内に含まれるカロテノイドの成分分析を行いました。
河口までしか行かないサツキマスと天然アマゴの成分は類似しており、共に水生昆虫に由来するカロテノイドが多く含まれる一方、伊勢湾まで降海するサツキマス「戻りシラメ」は海産魚や甲殻類プランクトンに由来するカロテノイドが多く検出されました。
サツキマスの体内に蓄積される カロテノイドの含有量と種類が個体ごとに異なることを突き止め、体色が変化するメカニズムの一端を明らかにしました。(中日新聞.pdf2023年9月7日付掲載)