御挨拶 名誉会長
岐阜薬科大学長 原 英彰
ご 挨 拶
~岐阜薬科大学の教育・研究・地域貢献の現状と今後の課題~
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岐阜薬科大学同窓会会員の皆様方には、益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。また、日頃から各地域の支部総会活動や、教育・研究基金、キャンパス整備基金等を通じ、本学発展のために多大なるご支援、ご指導を賜り、有難く厚く御礼申し上げます。
まず、本学における学生の現況について報告させていただきます。令和四年度の入学生の状況は、本年度も全国から120名(定員120名)の新入生を迎えるとともに、大学院として博士後期課程7名(定員5名)、博士課程9名(定員5名)の学生を迎え、教職員一同、新たな気持ちで教育、研究に励んでおります。
また、先に実施されました第107回薬剤師国家試験におきましては、既卒・新卒の学生102名のうち82名〔合格率80.39%(全国68.02%)〕が、新卒の学生77名のうち74名〔合格率96.10%(全国85.24%)〕が見事に合格し、新人薬剤師として病院薬局や市中の薬局、官公庁、製薬会社等で活躍しております。さらに、大学院修士課程、大学院博士後期課程及び大学院博士課程を修了した学生は、そのほとんどが製薬会社の研究部門等で活躍しております。
一昨年度から続いております新型コロナウイルス感染拡大の影響は、社会経済だけでなく、本学の教育・研究の現場に大きな影響を及ぼしております。昨年の授業においては一学年を二つの教室に分け、片方の教室(階段教室)の学生には対面授業を、もう一方の教室(平面教室)の学生にはリアルタイムでの配信授業を行い、これを交互に入れ替えることにより教育・研究の質を損なうことなく対応しました。しかしながらクラブ活動、各種対外行事等は、新型コロナウイルス感染拡大を危惧して禁止または中止いたしました。しかし、本年6月からは、マスク着用のうえ、従来通り一つの講義室(階段教室)にて対面での講義を行っております。また、クラブ活動についても感染症対策を行ったうえで再開しておりますし、大会等も今後行う予定であります。
1)宇野進前同窓会会長から杉浦昭子新会長へ
本年5月に行われました同窓会役員会において、同窓会長が宇野進氏から杉浦昭子氏へと継承されました。
宇野進氏は、1969年に岐阜薬科大学卒業後(大17回卒)、1974年に宇野薬品株式会社に入社され、1985年に代表取締役に就任し、1989年にはゆう薬局を開設されました。2018年にはゆう薬局をホールディング化し、代表取締役会長に就任され、薬剤師奨学金制度の設立や薬学実務実習生の積極的な受入れなど地域医療を担う人材の育成に寄与されています。その間、京都市社会福祉審議会委員や京都府地域包括ケアシステム推進プラン検討委員会委員等を歴任され、地域へ向けた健康サポート機能の拡充と地域貢献活動、在宅医療や地域連携に取り組まれ、地域医療の発展に多大な貢献をされました。これらの多年にわたる功績が認められ、2021年4月旭日双光章を受章されました。また、2018年度から本学在宅チーム医療薬学寄附講座にご支援をいただいており、在宅医療の普及啓発と医療の現場で活躍できる薬剤師の育成に大きく貢献されております。さらに、本学同窓会京滋支部長を経て、2006年から2021年の15年間同窓会長を務められ、本学在学生に対する多岐にわたる支援等にご尽力いただきました。宇野進氏は、本学の教育・研究の進展に寄与した功績が特に顕著であり、岐阜薬科大学名誉博士称号を2021年に授与されました。以上のように、宇野進氏の本学同窓会並びに本学に対しまして、多大なるご功績に感謝申し上げるとともに、心よりお礼を申し上げる次第です。ありがとうございました。
杉浦昭子氏は、1976年岐阜薬科大学卒業後(大24回卒)、愛知県西尾市に杉浦広一氏(スギホールディングス前代表取締役会長、現顧問)とご夫妻で調剤薬局「スギ薬局」を創業されました。1993年同社専務取締役に就任、1997年同社取締役副社長、2008年スギホールディングス代表取締役副社長に就任されました。さらに2011年一般財団法人杉浦地域医療振興財団を設立し理事長を兼務され、2015年公益財団法人杉浦記念財団として活動の幅を広げられました。2018年よりスギホールディングス相談役、スギメディカル代表取締役社長(現在は相談役)、そして杉浦記念財団理事長を兼務されています。杉浦昭子氏は業務等で大変忙しい中、この度、同窓会長をお引き受けいただきありがとうございます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
2)本学が育てたい人材と大学院進学への勧め
本学は6年制課程の大学であり、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース」の2つのコースを有しております。「医療薬学コース」においては、「安全で確実な薬物療法を提供できる薬剤師」及び「地域や社会のニーズに向き合い、健康で質の高い社会を築くことに貢献できる薬剤師」の育成を目指しています。また、「創薬育薬コース」においては、薬剤師の資格を持って「医薬品の研究、開発の中核となる研究者や技術者」の育成を目指しています。そのために3回生後期からそれぞれのコースの研究室に配属し、早期から教育・研究を行っています。
以上のコースを基本として、薬剤師・研究者(ファーマシスト・サイエンティスト)の育成を目指す質の高い教育を行っています。薬剤師・研究者とは、臨床に従事しながら研究ができる薬剤師、あるいは臨床の経験を生かして製薬企業などで研究者として活躍する薬剤師のことです。本学では、すべての学生に薬剤師としての職能教育を行い、資格の取得をサポートするだけでなく、高度な専門知識を兼ね備え、薬学研究を推進できる人材の育成のための、質の高い、充実した基礎から臨床までの教育体制を誇っています。
大学院においては、「いかに患者さん個々人の治療の向上に役立つ薬へと改良していくか、また、正しく薬を使うかを研究する"育薬"」と、「難病治療などに向け、世界に発信できる新薬を研究する"創薬"」という観点から、教育を進めております。いわゆる、専門薬剤師や創薬や生命科学研究のエキスパートの育成です。博士号を取得することは、その後の薬剤師、研究者や公務員などの人生において、非常に有益であり、かつ活躍の場も広がりますので、積極的に進学を進めています。また進学しやすいようにサポート体制も構築しています。その一環として、大学院への進学を推進するために、同窓会から大学院進学者に対して支給型資金として「成長支援助成金(同窓会チャレンジ助成金)」(今年度は一律20万円)を、さらに今年度の同窓会役員会において、「同窓会大学院博士課程・博士後期課程進学促進助成金(同窓会PhDチャレンジ助成金)」の設立が提案され、承認されました。今年度から学生一人当たり年額36万円(月額3万円)を支給することになりました。ただし、日本学術振興会特別研究員などに採択されていない学生対象になります。このような学生支援に対しまして、同窓会の皆様方には心よりお礼申し上げます。
3)本学の研究力・教育力
本学は、朝日新聞出版『大学ランキング 2022 年版』の論文引用度指数ランキングで、全国国公立私立大学 791 校中本学が 1 位にランキングされました。これは教員の生産性を示すもので、教員一人当たりの年間の主著論文、いわゆる論文の最初に名前が出る方(論文作成に主に携わった方)の論文数が本学は全国でトップということです。また文部科学省が交付する科学研究費助成金(科研費)という国からの競争的研究費の新規採択率が国公立私立大学 791 校中で6位、科研費や外部資金の受け入れ金額も全国でそれぞれ 22 位及び 27 位でした。さらに令和 3 年度の薬剤師国家試験の本学新卒者の合格率は、96.1%であり全国国公私立72校中で第 4 位の成績でした。このように、本学の研究力及び教育力は何れもトップクラスであります。この研究力及び教育力を維持できるようにしたいと思います。
4)他大学や企業との連携
本学は、「疾患の早期発見や安全で有効な個別化治療」へと移行しつつある医療の社会的ニーズに応えるため、本部キャンパスに隣接している岐阜大学の医学部、応用生物科学部(獣医学部)及び工学部の教育・研究機関と連携して、「岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科」を開設し、高度な専門性と先見性、柔軟な発想を有する最先端な領域で活躍できる人材の育成にも努めております。また、名古屋大学医学部医学研究科、創薬科学研究科や名古屋市立大学、さらには中国浙江大学、フロリダ大学など多くの海外の大学とも学術協定を締結し、最先端の研究に取り組んでおります。しかし、ここ2年間はコロナ禍の影響でこれら海外の大学との交流は途絶えております。コロナが落ち着いてきたら、再開したいと思います。それ以外にも、現在、民間企業出資による寄附講座及び創薬ベンチャーとの共同研究講座、併せて8講座を本学内に開設し、教育・研究を進めています。
5)キャンパス整備・統合
三田洞キャンパスと本部キャンパスの整備・統合については、昨年度、整備候補地を本部キャンパスの西側とすることとし、現在、地権者や地元のみなさま、あるいは、岐阜市関係部局などとの調整・協議を行っています。今年度は、用地測量や地質調査、造成の基本設計業務など、用地取得や校舎等の建築に向けた、現地における具体的な業務作業に入る予定です。新キャンパスは令和10年度の完成を目指しております。
また、本部キャンパス近接地では、令和6年度の開通を目指して、東海環状自動車道(仮称)岐阜インターチェンジの整備が進められており、広域道路ネットワークの新たな玄関口として、交流人口の拡大はもとより、物流など経済面でも大きな効果をもたらすものと期待されています。
こうした地域に本学のキャンパスを整備・統合することは、本学と岐阜大学の知的財産を土台とし、医学、薬学、工学、獣医学、農学分野が集積する国内でも屈指の学術研究拠点の形成につながるものであります。さらに、今後、関連する研究機関や民間企業の誘致を図ることで、「ライフサイエンス拠点」の形成が促進され、周辺地域におけるまちづくりのきっかけとなるものと考えます。
6)さいごに
本学は、教育・研究・社会活動の充実・強化を図るという大学の社会的使命を積極的に果たすことが期待されている一方、法人化、産学官連携の強化・ライフサイエンス拠点の整備、附属薬局の在り方等多くの課題があります。本学を取り組むべき課題の詳細については、岐阜薬科大学中長期計画2025 (VISION of GPU2025)に記載しております。本学ホームページの将来構想・中長期計画を参照ください。
今後とも、こうした社会環境の動きを的確に捉え、課題解決に向けた様々な取組をするとともに、高度な研究に裏付けられた教育のできる大学として、また伝統的に培われた育薬・創薬に関する教育・研究の成果を世界に発信できる大学として、薬学部の中でトップ(No.1)を目指して、教職員一丸となって取り組んでまいります。本学発展のため、一層のご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げまして、挨拶とさせて頂きます。
追伸
昨年度より本学のホームページ及び同窓会ホームページを刷新しました。また岐阜薬科大学Twitterも開設しました。是非一度ご照覧ください。
本学並びに同窓会に対しまして、ご意見や質問がありましたら遠慮なくお問い合わせ(電話:058-230-8100,メールアドレス:dousoukai@gifu-pu.ac.jp)ください。
令和4年7月
