薬草園研究室 研究内容

研究概要

令和2年5月18日関市でバイケイソウによる中毒が発生.岐阜県は緑が豊富である反面,春先の植物中毒が後を絶たない.薬用植物を含む正しい植物の知識の普及は薬剤師の職域である.また,セルフメディケーションへの関心が高い中,植物を原料とした健康維持に関連する食品が多数出回っているが,リスクがないわけではない.
【クスリはリスク】といわれるように,表裏一体である.例えば西洋ハーブエキスの2品目(アンチスタック、プレフェミン)のように,ダイレクトOTC医薬品の認可を受け販売されるものもあれば,同エキスが『いわゆる健康食品』として先行販売もされている.同じ名称で医薬品と食品の2つのカテゴリーが存在することになる.知識が不十分な異種業者の参入により,医薬品はもとより健康食品分野でも混乱が生じており,健康食品に関する専門家の養成が急務となっている.現状では消費者との接点が多い薬剤師にその責が求められている.
当研究室では,生薬や健康食品などに利用されている植物が何であるのかを鑑別し,さらに生薬の品質,性状に関するデータベースの構築に取り組んでいる.

また,AMEDの研究費を得て,生薬の国内生産に関する研究テーマを分担し,産地化を目指した種苗データベースの構築に取り組む一方,農林水産省補助事業である薬用作産地支援体制整備にも参加し,さらに岐阜市農林部が実施している岐阜市薬用作物栽培推進事業に協力している.
すなわち,育苗技術の保存継承,国内薬用作物栽培,生薬の調製加工をテーマに,持続的な薬用植物利用を目指している.


主な研究テーマ

  • ①流通する薬用植物に関して,顕微鏡鑑定手法を用いた基原の同定を行う
  • ②いわゆる健康食品に関する情報を収集し,整理する 
  • ③薬用植物の遺伝資源確保を目指した種苗の導入と増殖を行う
  • ④薬用植物に関する正しい知識の啓蒙活動を行う

外部研究費

  • AMED受託研究費 『種苗供給体制の確立に資するための全国種苗マップの構築に関する研究』
  • 岐阜県受託研究費『乗鞍スカイライン沿線植物群落の変遷調査』