岐阜薬科大学 薬草園研究室


薬草園研究室

研究概要

植物は、空腹を満たす食料、病気を治す薬、衣料、住まいなどとして人と深く関わりを持ち、ドイツでは風邪にかかると暖かいカミツレ茶が飲まれ、日本では生姜湯や葛湯が飲まれてきました。科学技術の発展により医薬品が多数開発され、色々な薬が容易に入手できるようになった現代においても、薬用植物は代替医療やサプリメントとして世界各国で重要な役割を果たしています。そのために資源枯渇が問題となり、薬草の生産地や品質の確保、自然生態系の生物多様性の確保といった重要課題が未解決になっています。将来に薬草を伝えるためには薬用植物の栽培、調製加工は欠かせない研究分野の一つです。

平成13年から実施されている保健機能食品制度により食品業界でも薬用植物が取り扱われていますが、薬草鑑別の知識が不十分な異種業者の参入により、使用部位の誤解、名称類似生薬の取違え、食品化による多量摂取といった問題が表面化し、健康食品に関する専門家の養成が急務であり、消費者との接点が多い薬剤師にその責が求められています。原料の植物が何であるのかを鑑別することは、重要な研究課題の一つです。
中山間地では、高齢者の生きがいや特色ある町作りに薬草を活用する動きがあります。薬草を通じて日頃から健康を意識することが医療費削減につながるとの考えから、医療や薬草に関する知識を持った活動の核となる薬剤師の養成が求められています。 この様な薬用植物を取り巻く状況を踏まえて、当研究室では

流通する薬用植物に関して、顕微鏡鑑定手法を用いた基原の同定を行う

いわゆる健康食品に関する情報を収集し、整理する

薬用植物の遺伝資源確保を目指した種苗の導入と増殖を行う

植物生態学的観点から野生生物の保全に関する調査を行う

薬用植物に関する正しい知識の啓蒙活動を行う

に着手しています。

当研究室出身者には、薬用植物を仲立ちとした社会貢献ができる人材としての成長を切望し、『漢方薬・生薬認定薬剤師』(財・薬剤師研修センターの認定制度)としての活躍を期待しています。

主な研究テーマ

日本、中国の局方収載生薬の性状記載に関する比較研究

いわゆる健康食品に配合される植物の顕微鏡鑑定研究

薬草施設が地域社会に与える影響に関する研究

薬用植物栽培および生薬調製加工に関する研究

寒冷地に於ける有用資源植物の導入栽培研究

乗鞍スカイライン沿線植物の変遷に関する調査研究