永井 拓先生(藤田医科大)に特別講義をして頂きました

永井 拓先生(藤田医科大)をお招きして、本年度の特別講義をして頂きました。永井先生が長きにわたり続けてこられたドパミンをキーワードにした神経精神薬理研究を分かりやすく講義して頂きました。多くの教員や学生も参加され、大変好評でした。どうもありがとうございました。

・7月3日(金)14:40~16:10 本部第2講義室

「情動シグナルとその破綻による行動の変容」 

藤田医科大学 精神・神経病態解明センター 神経行動薬理学研究部門

教授 永井 拓 先生

(要旨)

依存性薬物に共通で見られる快感は、中脳腹側被蓋野から側坐核へ投射するドーパミン作動性神経系の活性化に伴う初期の神経精神薬理作用である。我々は、新たな包括的リン酸化プロテオミクス法(KiOSS)を開発し、これまで不明であった側坐核の神経細胞の興奮性が快感に関与すること、細胞の興奮性を高める分子機序として、ドパミンD1受容体-PKA-Rap1(低分子量Gタンパク質)-MAPK経路が重要であることを見出した(Nagai et al. Neuron 2016)。さらに、独自に開発したリン酸化シグナルデータベースKANPHOSを用いてMAPKの基質も同定した(Kannon et al. Front. Mol. Neurosci. 2024)。一方、生物学的観点から、薬物依存症は依存性薬物を繰り返して摂取することで報酬行動を司る神経回路の病的な適応状態に陥ると考えられているが、その機序については不明な点が多い。本講演では、快感の分子シグナルに加えて、薬物依存症の病態生理と治療戦略について紹介する。

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