ご挨拶
感染症で苦しむ人を一人でも減らすために
細菌やウイルスなどの感染症は、依然として私たちの生活を脅かす存在であり続けています。感染症は過去のものではありません。このため、病原体の特性を理解し、適切な対策を打てるように準備しておく必要があります。
一方で、有効なワクチンや医薬品のない感染症も数多く残されています。特に先天性感染症は、ワクチンや医薬品が十分ではない領域の一つです。サイトメガロウイルスは先天性感染を引き起こす病原体の一つであり、妊娠中の女性が感染すると胎児に感染してしまう場合があります。
私たちはサイトメガロウイルスを中心として、ウイルスが免疫を回避し、宿主を攻撃するメカニズムを明らかにすることで、ウイルスに対抗する手段の開発に繋げる研究を行っています。
これに加え、新しいワクチン・プラットフォームを構築し、確実に感染防御ができる有用なワクチンの開発を目指しています。
細菌やウイルスは病原体として重要ですが、細胞の機能を改変し感染を成立させているという意味で興味深い特性を持っています。病原体と宿主のクロストークを明らかにすることは、それぞれの生命としての特徴を紐解くことに繋がり、新しい現象を見出すことができるかもしれません。
これらの研究を通して、感染症や病原体をよく理解し、適切な対応ができる人材を輩出することは私たちの重要な目標です。このような経験・知識を持つ人材は、アカデミア・医療機関・医薬品業界に限らず、さまざまな場面で活躍できると考えています。
「感染症で苦しむ人をひとりでも減らすこと」が私たちのミッションです。やる気と感染症に対する興味や問題意識があれば、バックグラウンドは問いません。直面する課題について、スタッフや先輩が一緒になって考え、解決まで指導します。
私たちと一緒に挑戦してみたいと思う方は、ぜひ一度、研究室に来てください。
感染制御学研究室 教授 腰塚哲朗
koshizuka-te[at]gifu-pu.ac.jp ※[at]を@に変えてください