論文: Direct Arylation Reaction of Heteroarenes mediated by Photoinduced Electron Transfer

本論文では、光誘起電子移動(PET)を介したヘテロアレーンの直接アリール化反応について報告しています。ヘテロアレーンは、含硫黄、酸素、窒素などの異なる原子で構成された環状化合物であり、多くの生理活性分子や有機材料の骨格として重要です。これまでの研究では、ヘテロアレーンのアリール化には通常、金属触媒が必要でしたが、光誘起電子移動を利用することで、金属触媒なしで直接アリール化が可能となります。

この研究では、ハロゲン結合受容体としてフェノールを用い、光誘起電子移動によってハロアレーンからのアリールラジカルの発生とそのヘテロアレーンへの付加反応を達成しました。さらに、反応機構の解明やそれによる、反応の制御や拡張に関する詳細な研究も行われました。

この新たなアリール化反応は、金属触媒を必要としないため、環境に優しい合成法として注目されています。また、ヘテロアレーンの直接アリール化によって、生理活性分子や有機材料の合成における効率的な手法が提供される可能性があります。さらなる研究によって、光誘起電子移動によるヘテロアレーンの直接アリール化反応の応用範囲の拡大が期待されます。

2022年度卒業の大江華鈴さんの研究成果をまとめたものです。

J. Photochem. Photobiol. 2023, ASAP DOI: 10.1016/j.jpap.2023.100183

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