Research Topic

研究テーマ:光とロボットを利用するヒトにも環境にも優しいものづくり(伊藤 教授) 

私の専門は有機合成化学で、特に光と酸素を利用した有機化学に携わっています。光は形や重さがなく、残渣を残さないクリーンな試薬です。一方、酸素は安価で大きな原子効率を有する究極の酸化剤です。私の研究室では、この2つのクリーンな試薬である光、特に可視光と酸素を用いて検討を行い、この1に示すような様々な光酸素酸化反応を見出すことに成功しました。また、2に示すように、本反応を複素環の合成に適用することにも成功しています。さらに現在は、酸素酸化のみならず、光のみによる新規な分子変換反応を見出し、生理活性物質を代表とする各種機能性化合物の合成に成功しています。

一方で、3に示したようにフロー合成についても検討しています。フローシステムはフラスコに変わるデバイスとして、近年盛んに研究がなされています。このフロー合成は、光反応を検討する上で最適なデバイスと考えていますが、単発の反応をフローにするだけでは、従来のバッチ反応と大きな差は無く、後処理や精製を含め、原料から目的物までを一貫生産できるシステムの構築が重要です。そのような背景に於いて、私の研究室では、ロボットアームを用い低分子医薬品のフロー一貫生産システムの全自動化に成功しています。

さらに4のように、現在はクリーンで無限のエネルギー源である太陽光と、単純作業や危険作業からヒトを開放するロボットアームを活用するシステム構築の開発に取り組んでいます。

image (1).png

研究テーマ:未踏分子開拓による機能性分子の創出 (多田 講師)

新しい有機合成反応の開発を基盤として新薬の開発を目指し研究を行っています。

私たちの身の周りには医薬品や農薬、液晶材料やプラスチックなどの有機化合物がたくさん存在しています。これらの有機化合物の多くは有機合成反応により合成されていますが、一般的に小さくて簡単な化合物は合成しやすく、これまでに非常に多くの化合物が開発され、社会実装されてきました。近年では、より大きくて複雑な化合物の精密合成が必要とされていますが、大きくて複雑な化合物の精密合成は困難です。

 私たちは、実験化学と計算化学による反応機構の解明を組み合わせて行うことで、高い反応性を有する反応剤や新しい反応を開発し、それらを用いる複雑分子の新しい合成手法を開拓することで、医薬品をはじめとした機能性分子を開発すべく研究を行っています。現在、1) 高反応性の超原子価ヨウ素反応剤の開発、2) 超原子価ヨウ素反応剤を用いる複雑分子の誘導化反応の開発、3) 新しいペプチド類縁体の開発、4) トリアゾール人工生命鎖の開発などの研究を行っています。 

image (2).png