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吉村 知哲 教授が、南山堂『薬局』Vol.74. No.9(2023年8月号)の特集記事の編集を務めました。 是非ご活用ください。 ASIN : B0CCG3M5BP |
特集にあたって
薬物療法を支援するうえで,薬剤師は薬剤の治療効果や副作用を,薬学的観点のみならず臨床的な観点からも評価する必要がある.臨床的な観点として,患者の自覚症状を聞き取り評価することに加えて,客観的評価指標としての臨床検査値(検査値)は特に重要となる.院外処方箋に検査値が記載されるのは当たり前の時代になった.
では,臨床現場で,薬物療法の評価,副作用確認,処方監査,処方提案,服薬指導,薬歴記載などの薬剤業務に検査値をどう活かすことができるか? 腎機能や肝機能,白血球数やヘモグロビン値などの血液データなどに基づいた処方監査において,検査値を理解できていれば回避できるリスクもある.薬剤の治療効果や副作用の評価に必要な知識は広範にわたり,処方内容や患者とのコミュニケーションだけでは得られない,より豊富な情報が検査値から得られることもあるはずである.しかし,疾患や薬剤によって評価項目は異なり,患者に応じて検査の必要な項目や目標値が異なる場合もあるため,漏れのない的確な評価は容易ではない.臨床現場で対応ができるようになるには,一対一対応の知識ではなく,さまざまな検査値や具体的な症状の有無,個々の患者対応のなかで得られた情報を全体として捉えることが重要であり,これができて初めて「検査値が活用できる薬剤師」になるといえよう.
本特集では,薬剤に関連する検査値にスポットをあて,検査値活用の実践例として腎機能,肝機能,カリウム,カルシウム,ナトリウム,血液疾患,血糖について,さらに検査値の見かた・使いかたとして,副作用の発見,処方監査,検査値の使い分け,検査値異常の読み解き,患者に応じた目標値,腫瘍マーカー,患者サポートなどについてもわかりやすく執筆いただいた.本特集の活用によって,臨床での対応のポイントを理解でき,薬剤の適正使用や医療安全,患者の治療効果向上へとつながることを期待している.
本特集を,薬物療法に携わるみなさまの日常的な薬剤業務および患者サポートに役立てていただければ幸いである.
岐阜薬科大学 病院薬学研究室 教授
吉村知哲
特集
身につく! 検査値のチカラ
薬学管理・服薬指導・記録にどう活かす?
■特集にあたって(吉村 知哲)
■こんなに使える! 薬剤師による検査値活用術(宇佐美 英績)
■検査値,活かしてみました
・腎機能(田﨑 智也)
・肝機能(竹田 滋郁 ほか)
・カリウム(飯田 慎也 ほか)
・カルシウム(中野 貴文)
・ナトリウム(南島 拓矢)
・血算(安福 平)
・血糖(石橋 真実)
■検査値の見かた・使いかたエトセトラ
・薬の副作用を見つける(大森 智史)
・処方監査に活かす(山口 洪樹)
・類似した検査値を使い分ける(篠田 康孝)
・検査値を代替,補正する(岩切 智美 ほか)
・検査値には現れない異常に気づく(坂東 寛 ほか)
・自覚症状のない検査値異常を読みとく(西田 承平 ほか)
・患者に応じた目標値を推定する
─糖尿病に合併した脂質異常症における治療目標値およびそのエビデンス─(宮﨑 元康)
・腫瘍マーカーについて説明する(中島 寿久)
・検査値の記録を患者サポートにつなげる(大森 智史)

