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Plasma-assisted Fabrication of Phospholipid Layer onto Polymer Surface and its Application

低温プラズマを利用した高分子基盤へのリン脂質自己組織化膜の構築とその応用

近藤研究室では、低温プラズマ照射により架橋の生じる高分子基盤内に、疎水性分子を修飾した高分子を導入することで、細胞膜の構成成分であるホスファチジルコリンの疎水性相互作用に基づいた自己組織化膜を構築しています。

開発した自己組織化膜は、抗体や脂肪酸等の生体分子の導入により生体膜を模倣した構造を持ち、流動性を示すことも明らかにしています。また、自己組織化膜を支持する高分子基盤は、成形性に優れた低密度ポリエチレン製であることから、再利用可能なバイオデバイスやカテーテルへの応用が期待されます。

近年では、自己組織化膜の平面構造を活かし、流動性ある膜表面の分子同士を架橋することで、新たなナノシートやナノフィルム開発を行っており、癌細胞膜への吸着・破壊能を有する薬物送達システム (DDS) への応用を目指しています。

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Develpment of Sophisticated Macromolecules for Pharmaceutical Application

固相重合が切り拓く次世代高分子医薬の創出

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I) Solid-state Single Electron Transfer (SSET) Reaction を利用した高分子医薬の開発

近藤研究室では、ステンレス製容器とボールの衝突により惹起される固相一電子移動反応を開始反応とした、固体ビニルモノマーの重合による機能性高分子の開発を行っています。

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II) 天然高分子のメカノラジカルの構造特性解明

天然高分子(多糖類、ポリアミノ酸)は、有機溶媒や触媒を使用することなく、自然界の動植物や細菌類により産生されることから、環境にやさしい高分子といえます。しかし、天然高分子は百万を超える高分子量のものが多いため、溶解性が低く、たとえ加水分解により分子量を低減しても分子量分布が広がってしまうことが課題として挙げられます。

近年、SDGs (持続可能な開発目標) や脱炭素イノベーションへの取り組みが加速されていることから、天然高分子の利活用は、環境に配慮した持続的な研究であるといえます。そこで我々は、多糖類やポリアミノ酸に機械的エネルギーを与えることで生成したフリーラジカルの構造特性を、ESRスペクトル測定とスペクトルシミュレーション解析を行うことで解明し、天然高分子の利活用に向けた研究を推進しています。

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III) 高分子のメカノラジカルを開始剤とした固体ビニルモノマーの重合による機能性高分子の開発

近藤研究室では、機械的エネルギーを与えた高分子の主鎖切断に基づき産生されるメカノラジカルを開始剤とした、固体ビニルモノマーの重合による機能性高分子の開発を行っています。

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IV) ブロックコポリマー (グラフトコポリマー) の自己組織化によるナノキャリア構築

固相重合により得られる両親媒性ブロックコポリマー・グラフトコポリマーは、水溶液中における自己組織化により、粒子サイズが 10~200 nm のポリマーミセルあるいはナノゲルを形成します。

血中投与されたポリマーミセルやナノゲルは、癌選択的な移行能を示した後、癌細胞内で薬物・タンパク・遺伝子等の分子を放出することが可能です。

近年、当研究室では、ポリマーミセルやナノゲルを構成する高分子鎖の側鎖官能基やモルフォロジー特性が、細胞内取り込みにどのように関係しているのか明らかにすることを目標に研究を進めています。

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