63歳女性の患者さん、消化器内科を初診。
お腹の張りや皮膚の痒みを訴えている。また、多剤服用が不安な様子である。
今回の処方は以下の通りです。

薬剤師: こんにちは。調子はいかがですか。
患者: お腹の張りが強いです。
薬剤師: 今回ラシックス錠とアルダクトンA錠という2種類の利尿剤が処方されています。これは尿による水分の排泄を促してお腹の張りを軽減する効果があります。このお薬を飲んでもよくならないようでしたら担当医に相談してくださいね。
患者: わかりました。あと、腕や足が痒いのですが。
薬剤師: 今回塗り薬が処方されていますよ。こちらは、保湿に加えて血行を良くする成分と炎症をとる成分が混ぜ合わされています。12回痒みのある部位に塗ってくださいね。
患者: はい、そうします。
薬剤師: 他に、何か不安なことや聞きたいことはありますか。
患者: お医者さんからあまり説明がなかったのでお聞きしたいのですが、ラクツロースはなぜ飲まないといけないのですか。
薬剤師: 肝硬変ではアンモニアが体内に溜まってしまうのですが、アンモニアは脳の機能を抑制してしまうので、頭がぼうっとしたり、意識がもうろうとしてきます。このお薬はアンモニアの生成や吸収を抑えて、そういった意識障害を改善してくれるのですよ。ただ、軟便や下痢になりやすくなるので、下痢がひどいようだったら相談してください。
患者: よくわかりました。あと今回、薬が多いですよね。アミノレバンは量が多くて飲みにくいからできたら飲みたくないのですが…。
薬剤師: アミノレバンは重要なお薬ですよ。肝機能が障害されるとアルブミンが不足して栄養状態が悪くなったり、血液中のアミノ酸のバランスが崩れてしまいます。このお薬は不足している分岐鎖アミノ酸を補給することで栄養状態を改善してくれます。さらに先ほど説明した意識障害を改善してくれるのですよ。
患者: そうなのですか。わかりました。
薬剤師: 薬が多くて大変だと思いますが、しっかり服用していってくださいね。それではお大事にしてください。
患者: はい。ありがとうございました。
<処方>
Rp.1 ウルソ錠100mg  6

★分3 (朝、昼、夕)食後

Rp.2 プロマック顆粒15%(0.5g/) 2
★分2 (朝、夕)食後
Rp.3 硫酸ポリミキシンB100万単位   3

★分3 (朝、昼、夕)食後

Rp.4 ラシックス錠20mg 1
アルダクトンA25mg    1
タケプロンOD15 1

★分1 ()食後

Rp.5 アミノレバンEN(50g/)  3

★分3 (朝、昼、夕)食後

Rp.6 ラクツロース・シラップ 60mL

★分3 (朝、昼、夕)食後

Rp.7 ヒルドイド20g    2
サデルム軟膏0.1%5g 8

(塗り薬)12

★医師の指示通り

★混合

常用薬残量わずかにて

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薬剤師による服薬指導時の会話

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