背景

 45歳女性。以前より脂質異常症で、プラバスタチンNa錠5mgを服用していた。最近引越しをし、近くの診療所で処方箋を受け取り初来局した。 検査値はLDLが206mg/dL、妊娠の可能性はない。

薬剤師による服薬指導時の会話

薬剤師: こんにちは。体調は特に問題ありませんか。
患者: はい。大丈夫です。
薬剤師: 今回よりコレバイン錠500mgが追加となりました。こちらのお薬はプラバスタチンと同じように血液中のコレステロールを減らす働きがあります。
患者: 症状は特に何も起こってないのに新しく薬が追加になって少し憂鬱です。
薬剤師: 薬が増えてしまうのは憂鬱ですよね。 ただ、血中のコレステロール値が高い状態ですので、薬でコントロールをしていく必要があります。プラバスタチン錠は問題なく飲めていますか。
患者: うーん・・・。実は、薬を飲む必要性が分からなくて、何度か飲むのを忘れたこともあります。
薬剤師: そうだったんですね。確かにコレステロールが高いだけでは自覚症状は起きないことが多いです。 ですが、治療を怠り病態が進行すると、動脈硬化が起こり心臓や脳の病気が起こってしまう可能性もあります。
患者: そうなんですね。これからはきちんと服用をしたいと思います。
薬剤師: 生活習慣に関しては何か取り組まれていますか。
患者: 運動はたまにしていますが正直どんな運動がいいのか分からなくて・・・。薬を飲んでいたらいいわけではないのですか。
薬剤師: この病気は、生活習慣の改善が基本となります。肉類を減らし魚や豆、野菜を中心とした食事が良いですね。 運動はウォーキングや水泳などの有酸素運動を毎日30分ほど行うと効果的ですが、自身のペースで行うのが良いでしょう。
患者: 分かりました。一度やってみます。
薬剤師: その他に何かご質問はありますか。
患者: 薬の副作用が心配です。今まで飲んでいた薬の副作用もあまり理解していないのですが、どんなのがありますか。
薬剤師: どちらの薬も重い副作用はめったに起こりませんが、プラバスタチン錠では横紋筋融解症という筋肉が壊死する副作用が起こることがあります。 運動をしていないのに筋肉痛が起きたり、脱力感がある場合はすぐ連絡してください。コレバイン錠は便秘が起こりやすい薬です。ひどい腹痛や便秘が起こった際は受診してください
患者: 分かりました。

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処方
RP.1 プラバスタチンNa錠5mg「トーワ」 1回2錠(1日4錠)

1日2回 朝・夕食前35日分

RP.2 コレバイン錠500mg 1回3錠(1日6錠)
1日2回 朝・夕食前35日分