国際交流・地域貢献

アメリカ大学訪問報告

平成27年度米国フロリダ大学訪問報告

訪問メンバー

◇教員
団長 科学英語研究室 准教授 Seyed M. Mirbod
団員 病院薬学研究室 講師 舘 知也
◇学生
所属 学年 氏名
薬学部 薬学科 4 尾藤 里奈(薬物動態学研究室)
薬学部 薬学科 4 黒田 絢子(製剤学研究室)
薬学部 薬学科 5 宮川 拓也(薬品物理化学研究室)
薬学部 薬科学科 4 森  大知(GRS)

訪問日程

8月31日(月) 成田空港ーゲインズビル空港
9月1日(火) フロリダ大学薬学部:会談,学内視察
2日(水) 薬物治療学受講,大学病院薬剤部視察
3日(木) 患者中心医療受講,大学病院臨床薬剤部視
4日(金) 薬局・薬店視察
5日(土) 市内視察,大学アクティビティ参加
6日(日) ゲインズビル空港ー成田空港ー中部国際空港

アメリカ側応対者

◇フロリダ大学
Sven Normann Pharm.D. Assistant Dean fot Pharmacist Education & International Affairs
Karen Whalen Pharm.D. Assistant Dean for Clinical Education, Clinical Professor
Reginald F. Frye Pharm.D., Ph.D. Professor & Chair, Dept. of Pharmacotherapy & Translational Research
Randell E. Doty Pharm.D. Clinical Associate Professor, Director of International Programs
Lisa Thames Pharm.D. Hospital Pharmacy
Ado Khoury Pharm.D. Clinical Pharmacy
Anthony Menezes Pharm.D. West-lab Pharmacy

訪米レポート

pdficon_small 【薬学部 薬学科 4回生 尾藤 里奈】
pdficon_small 【薬学部 薬学科 4回生 黒田 絢子】
pdficon_small 【薬学部 薬学科 5回生 宮川 拓也】
pdficon_small 【薬学部 薬科学科 4回生 森 大知】

 

平成25年度アメリカ二大学訪問報告

本学は、フロリダ大学とサンフォード大学と学術交流協定を締結しています。今後、フロリダ大学との交流をさらに発展させ、また、新たにサンフォード大学薬学部との交流を開始するために、2名の教員と3名の学生が両大学を訪問し、米国における薬学・臨床薬学教育の視察を行いました。
フロリダ大学は、フロリダ州ゲインズビル市に本部を置く州立大学として、アメリカ最大規模の総合大学であり、U.S News & World Reportのランキング では公立大学中では全米14位、世界的な評価もきわめて高く”Public Ivy”とも称されています。フロリダ大学からはこれまでに教員1名と学生1名を受け入れており、交流が期待されています。
サンフォード大学薬学部は、アラバマ州バーミンガム市のサンフォード大学の8学部の中の一つの名門私立大学で、“薬剤師は、最適な薬物療法の成果を患者に提供する責任を有する健康管理のプロフェッショナルとなる”という理念のもとに1学年120人の少人数教育を行っています。
ここでは参加した学生の訪米レポートを紹介します。

訪問メンバー

◇教員
団長 医薬品情報学 教授 中村 光浩
団員 英語研究室 准教授 セラグ・アダム
◇学生
所属 学年 氏名
薬学部 薬学科 3 川畑 沙織
薬学部 薬学科 5 西井 さあら
薬学部 薬学科 5 矢島 俊輔

訪問日程

3月16日(日) 中部国際空港- バーミンガム空港
17日(月) サンフォード大学薬学部:本部訪問・視察
18日(火) サンフォード大学薬学部:視察
19日(水) バーミンガム空港 - ゲインズビル空港、ゲインズビル市へ移動
20日(木) フロリダ大学薬学部:本部訪問・会談・視察
21日(金) フロリダ大学薬学部:視察
22日(土) ゲインズビル空港-
23日(日) -中部国際空港

アメリカ側応対者

◇サンフォード大学
Michael D. Houge,Pharm.D. Interim Dean and Associate Professor
Roger D.Lander,Pharm.D.,FASHP,FCCP,CACP Professor of Pharmacy Practice
Greg Gorman, Ph.D. Pharmaceutical Sciences Research Institute
Rachel M. Slaton, Pharm. D. BCPS. Assistant Professor,Department of Pharmacy Practice
Deborah Suggs, Pharm.D. PGY-1 Pharmacy Practice Resident
◇フロリダ大学
Susanne Hill, Ph.D. Executive Director, UF International Center
Diane E. Beck, Pharm.D. Associate Dean for Curricular Affairs
Sven A. Normann, Pharm.D.,DABAT Assistant Dean,Pharmacist Education and International Affairs
Michael W. McKenzie, Ph.D., R.Ph. Associate Dean for Student Affairs
Karen L. Whalen, Pharm. D. Clinical Associate Professor
John G. Gums, Pharm.D., FCCP     Professor of Pharmacy and Medicine
Reginald F. Frye, Pharm.D., Ph.D Professor and Chair
W. Thomas Smith, Pharm.D., J.D. Clinical Associate Professor

訪米レポート

【薬学部 薬学科  3回生 川畑 沙織】

今回の訪米に志願した理由は、以前から日本の薬局制度は欧米に遅れをとっていると聞いたことがきっかけでした。また、3回生後期の授業で、“医者の仕事は患者を治すことだが、薬剤師の仕事は不幸な患者さんを一人でも出さないことだ”という講師の言葉が忘れられず、不幸な患者さんを一人でも出さないためには、高度なチーム医療、カウンセリング、検査が不可欠だと思いました。そのため、医療現場において薬剤師が高い地位にあり、患者さんへの非常に充実したカウンセリング制度をもつアメリカの薬剤師制度に非常に興味を持ったことも理由の一つです。 両大学を訪問して、学生の意識、薬剤師の立場、薬剤師と患者さんとの関わりが、とても印象的でした。将来の薬剤師像がはっきりしている学生が多く、薬物療法を通してQuality of Life(QOL)を向上させるという目的意識のはっきりした生徒や薬剤師が多くいました。薬剤師の免許を取得した後も学び続ける姿勢、学生の勉強に対する真摯さにとても刺激を受けました。これは日本の薬剤師とアメリカの薬剤師の違いが非常に大きいと思いました。 アメリカでは1年生から実務実習があります。そして一度社会にでた後も大学に入り、スキルアップする環境が充実しているため、学生の年齢幅が広いことも印象的でした。授業は、講義形式に加えてロールプレイング形式、生徒が教師からの質問に対し答える形式、様々なオンライン授業形式など、様々な形の授業があることも新鮮でした。 また、患者さんのQOLをあげることが薬剤師の仕事だという意識がとても高いことにも刺激を受けました。医療現場における薬剤師の立場が強く医師に意見できること、医師は診断をすることが主で、薬剤師がカウンセリングを行い、薬剤師はカウンセリングに非常に重きをおいていることなどから、日本よりもアメリカの薬剤師の医療貢献の立場が大きく、患者さんからの信頼も厚いことが理由の一つだと感じました。 カウンセリングの際に使用する資料が専門的であること、ドラッグストアでの薬剤師が非常に重要な、身近な存在になっていることは、患者さんが皆保険制度にはなくセルフメディケーションを大切にする文化だからこそだと思いました。 アメリカでは薬学部のほとんどの学生が、薬剤師としての道(調剤薬局、病院、ドラッグストア)を選ぶそうです。日本の薬学部は、進路先にたくさんの選択肢があることを私は素晴らしいことだと思うのですが、もし、臨床にいきたいという思いが早い学年から決まっているのであれば、もっと病院や薬局にいく機会があるとその生徒のモチベーションが上がり、より意識の高い薬剤師が育成されるのではないかなと思いました。 薬剤師がチーム医療の中に不可欠な存在であることを、アメリカに行って再確認しました。貧しい人が多い中、医療費を抑えなければいけないが、その一方で医療の質も上げることができるように考え続けることは本当にすごいと思いました。日本の制度の良さ、アメリカの制度の良さを知ることができたのも、海外から日本を見るという機会をいただけたからだと思います。病院実習、薬局実習まであと一年間ありますが、高い意識をもって一人でも不幸な患者さんを出さないこと、患者さんの体と心に寄り添えるような薬剤師になれるように、頑張りたいと思います。

【薬学部 薬学科 5回生 西井 さあら】

今回の研修に参加して、日米の薬剤師教育の違いや薬剤師の仕事の違いなどに驚きました。医師は診断をし、薬剤師が服薬指導をするという住み分けがはっきりなされていることに加え、調剤技術者(テクニシャン)という調剤のみを行う資格者がいるということです。医師は患者さんに薬についてほとんど説明せず、薬については薬剤師に任されているという印象を受けました。それぞれの医師がそれぞれの薬剤師と、あらかじめ、どこまで処方箋を変更してよいのか決めており、それに応じて薬剤師は処方内容を変えることができるという仕組みに驚きました。 サンフォード大学では3年生の薬物療法の講義を受けさせていただきました。薬理作用や副作用だけでなく、症例問題もあり、臨床的な講義でとても詳しく説明していました。授業の雰囲気は自由で開放的であり、わからない個所があるとその場で挙手して質問するなど学生の積極性が見て取れました。また大学のカリキュラムについて説明していただき、実務実習教科が1年次(日本の薬学部の3年次)から実習を行っているので臨床現場の実情を早くから知ることができ、モチベーションを向上させたり、自分の将来について考えたりする機会が多いと感じました。 アメリカの臨床現場を見ていて印象的だったのは、患者さんの経済面にとても気を配っていたことです。日本は皆保険制度が整っているため、薬を使う上で経済面について考えることは少ないですが、アメリカは無保険の人もいます。そのような人のための病院や薬局があり、そこではなるべく医療費を抑えようといろいろ工夫しているようでした。 そのような臨床現場を見ているとファイナンシャルマネージメント の重要性を感じることができました。 フロリダ大学では、本学との国際交流について先生方が話し合う場にも同席しました。使う言語の違い、薬剤師の制度の違いなどで、学生の相互派遣には様々な障害が考えられますが、違う国の薬学教育や制度を知るのは大変有意義なことです。今後、交流が盛んになっていくことを期待したいと思います。 日本の薬剤師は「10年前のアメリカの薬剤師」と言われるように、まだまだ臨床で活躍できる場面が少ないと思います。今回お会いしたアメリカの薬剤師の方たちは自分の仕事にとても誇りを持っており、なにより医師から独立しています。まだ時間がかかるかもしれないが、将来あのような薬剤師像が日本でも当たり前になってほしいと強く感じました。 私は現在6年生で、来年度からは薬剤師として働きたいと思っています。法律や制度上、アメリカの薬剤師のように患者さんに触れる機会が格段に増やしたり薬剤そのものを変えたりすることはできませんが、服薬指導を重要視するという部分は真似することができると思います。患者さん1人1人にしっかりと向き合い、薬だけでなく生活習慣などに関してもアドバイスできる薬剤師になりたいと感じています。そのためにも今後勉学に励み、知識を身につけ、彼らのように自分の仕事に自信と誇りを持った薬剤師になりたいと思います。

【薬学部 薬学科 5回生 矢島 俊輔】

今回の研修では様々な医療施設を訪問し、アメリカの薬剤師と患者の信頼関係の深さと、身をもって感じることができました。サンフォード大学では、最初にバーミンハムの保険局を訪問しました。研修薬剤師(レジデンシー)が、薬剤師の指導の元で糖尿病患者の服薬指導と食事療法を行っているところでしたが、日本にはそもそも「研修薬剤師」というシステムが存在しないので、最初のカルチャーショックを受けました。研修薬剤師を終えた薬剤師は臨床実務経験値が高く、その後のキャリア形成で差がつくそうです。このことから、アメリカでは薬剤師免許取得後のキャリアアップの仕組みがしっかりと整備されていると感じました。カウンセリング後の診察レポート(SOAPプラン)は事細かに記載されており、自分の実務実習の中で実際に何度か記入したことはありましたが、内容の詳細さには目を引くものがありました。こういったデータ収集が患者さんからの信頼に繋がっているのだと思います。薬剤師が5人ほど常駐する小さな個人診療所も訪問し、個々の患者の保険クラスに合わせて薬を適切に選択するというのが、薬剤師に与えられた大切な職能であると説明を受けました。
フロリダ大学では、アメリカの薬学教育のカリキュラムについて講義を受け、アメリカでは臨床教育に本当に力を入れているのが、改めて分かりました。卒業後にレジデンシーとして研修を更に続けるのだから、自信を持ってドクターとディスカッションできるのもうなずけます。また、当大学は日本の学生の受け入れも行っており、どうすればアメリカで薬剤師の免許を取得できるのかを説明してもらいました。決して簡単な道ではありませんが興味を持ちました。卒業後の進路を薬剤師ではなく、FDAや日本のPMDAも視野に入れている学生と交流することもできました。大学の講義だけでは自分の得たい情報を得ることができないため、外部に積極的に情報収集をしに行っているそうです。優秀なだけでなく、学生のうちから積極的にアクションを起こし、自分の将来の姿を具体的に描こうとする姿勢はかっこよく、自分も見習わなければならないと思いました。
また、アメリカでも珍しい「Compound Pharmacy(調合薬局)」を訪問しました。日本でいう「自家処方」をメインで扱う薬局ですが、自家処方する薬の種類は日本と比べ物にならない程豊富で、化合物の合成を行っていることに訪問団一同驚きました。そこでは患者さんの希望に応じた有料のカウンセリングも行っていますが、記入してもらうアンケートは大変細かく、きめ細かくじっくりと患者さんと向き合うことができます。患者が薬剤師に絶大な信頼を寄せているという話は聞きましたが、それは文化的背景だけでなく、アメリカの薬学教育の賜物であるとこの研修を通して学ぶことができました。
学部の最高学年を迎え、来年には国家試験を控えています。アメリカとは根本的にカリキュラムが異なるとはいえ、臨床に関する知識を更に蓄えることが大切であると感じました。将来ドクターと対等にディスカッションができるように、1つ1つの知識を暗記で済ませるのではなく、様々なことをリンクさせていこうと思います。このプログラムが今後も継続され、各大学との友好が更に深まることを期待すると共に、私が今回経験したことを本学のより多くの人に伝えていくことが義務であると考えております。

<サンフォード大学訪問>
<フロリダ大学訪問>

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