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薬草園研究室
Herbal Garden

 
准教授 酒井英二
Associate Professor
esakai@gifu-pu.ac.jp
※メールアドレスは @ 以下に gifu-pu.ac.jp を付加してください.
 
 昭和53年,製薬研究所に植物生態学研究施設が設置され,昭和56年には植物生態学研究室が設置されました. 初代の施設長には水野瑞夫助教授(生薬学 併任)が,専任として田中俊弘助手が任に当たられました.これが薬草園研究室の前身です. 植物生態学研究室では,子ノ原演習園予定地の植生調査,寒地系薬用植物の移植,自然環境保全をテーマとして研究が進められてきました. 寒地系薬用植物については,国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場<a href=" http://wwwts9.nibio.go.jp/ " > (現,独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部)</a>から,ゲンチアナ,ダイオウ,センキュウ, シャクヤク,ロートコン,エゾウコギ等の分与を頂き,共同栽培研究を実施してきました.その後,昭和61年に生薬学講座の第4研究室を経て, 昭和63年に薬草園研究室と名称を変更し,平成19年から学内組織改革により,専門教育大講座 薬草園研究室となりました. 平成13年には助手1名が採用され,専任教官2名となりました.卒業論文生も希望があれば2名まで受け入れが可能で,現在,教官2名,卒業論文生2名,研究生3名となっています.

 人類は,誕生の瞬間から植物と深く関わりを持ってきました.ある植物は空腹を満たす食料であり,ある植物は病気を治す薬として利用されてきました. ヨーロッパには古くから植物療法があり,ドイツでは風邪にかかると暖かいカミツレ茶が飲まれてきました.日本でも生姜湯や葛湯などが用いられてきました. 科学技術の発展により医薬品が多数開発され,色々な薬が容易に入手できるようになった現代においても,薬用植物は代替医療やサプリメントとして世界各国で重要な役割を果たしています. そのために資源枯渇が問題なっているものもあります.そこで,薬草園研究室は,薬草園を利用した薬用植物の栽培,生薬の加工,生薬の基原植物関する研究を目的としています.
平成18年施行の第十五改正日本薬局方では,生薬の残留農薬も大きく取り上げられています.益々,薬草の品質や生産地の確保、自然生態系の生物多様性の確保といった点が重要になり, 将来に薬草を伝えるためには薬用植物の栽培,調製加工は欠かせない研究分野の一つとなっています.
平成13年から実施されている保健機能食品制度により食品業界などでも薬用植物が取り扱われる傾向にあり,平成15年には食品安全基本法が制定され『いわゆる健康食品』に関しても大きな改革が進められています. しかし,薬草鑑別の知識が不十分な異種業者の参入により,使用部位の誤解,名称類似生薬の取違え,食品化による多量摂取といった問題も一部では表面化し,取り扱いについては専門家の養成が急務と言われ, 『いわゆる健康食品』に関する情報提供が,消費者との接点が多い薬剤師に求められています.原料の植物が何であるのかを鑑別することは,重要な研究課題の一つです.
市町村の合併が進む中で中山間地では,高齢者の生きがいや特色ある町作りに薬草を活用する動きがあります.さらに,薬草を通じて日頃から健康を意識することで 医療費削減につながると考え,その活動の核となる医療や薬草に関する知識を持った薬剤師が求められています.

 この様な薬用植物を取り巻く状況を踏まえて,当研究室では以下のことに着手しています.
1) 流通する薬用植物に関して,顕微鏡鑑定手法を用いた基原の同定を行う
2) いわゆる健康食品に関する情報を収集し,整理する
3) 薬用植物の遺伝資源確保を目指した種苗の導入と増殖を行う
4) 植物生態学的観点から野生生物の保全に関する調査を行う
5) 薬用植物に関する正しい知識の啓蒙活動を行う
 これらの研究活動を通じて当研究室出身者には,薬用植物を仲立ちとした社会貢献が出来る人材としての成長を切望し,『漢方薬・生薬認定薬剤師』(財・薬剤師研修センターの認定制度)としての活躍を期待しています.
 
図. 薬用植物,生薬を次世代へ伝えるための栽培研究および鑑定研究
研究課題
  1. 日本,中国の局方収載生薬の性状記載に関する比較研究
  2. いわゆる健康食品に配合される植物の顕微鏡鑑定研究
  3. 薬草施設が地域社会に与える影響に関する研究
  4. 薬用植物栽培および生薬調製加工に関する研究
最近の研究成果
  1. 西太平洋地区4カ国(日本,中国,韓国,ベトナム)の薬局方収載生薬の各種試験方法並びに規格値の比較に関する研究,生薬学雑誌60,39-50(2006)
  2. 来園者を増やすための企画 ―アガリクス栽培試験―,日本植物園協会誌40,68-72(2006).
  3. 薬草園導入栽培植物 Catalpa bungeiとして導入された植物,第126年会日本薬学会(仙台,2006年3月)
  4. 薬剤師教育に関する薬草園の役割,第125年会日本薬学会(東京,2005年3月)