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生体機能解析学大講座

薬効解析学研究室
Molecular Pharmacology

 
教授 原 英彰 准教授 嶋澤雅光 助教 鶴間 一寛
Professor
Hideaki Hara
Associate Professor
Masamitsu Shimazawa
Assistant Professor
Kazuhiro Tsuruma
hidehara@ shimazawa@ tsuruma@  
※メールアドレスは @ 以下に gifu-pu.ac.jp を付加してください.
 
 当研究室は2007年4月1日より開設されました研究室です。当研究室では、「神経細胞死の機序解明並びにその治療薬開発」を研究テーマとしております。以下に研究テーマについて説明します。

1) 脳卒中並びに神経変性疾患に関する病態解明及び創薬研究
 分子生物学的並びに薬理学的な手法を用いて、神経細胞死と生存の境界点の分子機構並びにその決定要因を明らかにし、中枢性神経疾患に関する病態解明及び創薬研究を行っています。脳梗塞の動物モデルであるマウスの全脳虚血モデル及び中大脳動脈閉塞再開通モデルを確立し、脳卒中の病態発症に関与する因子の解析並びにその治療薬の探索を行っています。現在は、神経細胞死と関連が指摘されている小胞体ストレス、アミロイドβ、メタロチオネイン(生体内抗酸化物質)などについて研究を進めております。さらに、統合失調症、ハンチントン病及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関する遺伝子改変動物や臨床サンプルを用いて、病態形成に関わる生体機能因子の探求並びに機構の解析も行っています。

2) 緑内障、糖尿病網膜症などの網膜疾患に関する病態解明及び創薬研究 
 マウス、ラット、サルなどを用いて各種網膜疾患動物モデル(緑内障モデル、網膜血管新生モデルなど)を確立しています。これらモデルさらには諸種の遺伝子改変動物や臨床サンプルを用いて、網膜疾患の病態解明並びにその治療薬の候補になりうる化合物の探索を行っています。さらに、目の障害が脳にどのような影響を及ぼすかについての「目と脳」の研究も行っています。

3) 伝承薬の神経細胞保護作用に関する研究                
 伝承薬とは古くから民間薬として使用されてきた薬のことであり、たとえば蜂産品(プロポリス、ローヤルゼリー、花粉など)やブルーベリーなどのサプリメント・機能性食品も含まれます。これら伝承薬の効能はある程度明らかにされてきましたが、その詳細な作用機序及び活性成分は不明のままです。最近、サプリメントや機能性食品に関する話題やニュースが毎日のようにテレビや雑誌で紹介されています。そのような中、今求められていることは信頼性(科学的な裏付け)のあるデータを消費者の皆さんに提供することであります。そこで当講座では、「伝承薬に求められている科学的なデータを創出すること」並びに「これら伝承薬の中から目や脳に有効な成分を見出して、将来の医薬品やサプリメントの候補になりうる化合物の探索を行うこと」を目標に研究を進めております。

 当研究室は、1)十分な治療薬がない疾患で苦しんでおられる患者の方々のQOL(生活の質)向上に貢献する薬剤の開発につながる研究、2)国内外の産学官の積極的な連携、3)製薬企業や各種研究機関で役に立つ「実践教育」を理念として掲げています。製薬企業におけるこれまでの創薬研究の経験を活かして、製品につながる研究を目指していきたいと思います。また大学院生を中心に、卒業後研究機関に就職する上において必要な基礎知識、研究の面白さ、自律心などを教えることができればと思います。
 

図.当研究室の研究概要
研究課題
  1. 脳卒中並びに神経変性疾患に関する病態解明及び創薬研究
  2. 緑内障、糖尿病網膜症などの網膜疾患に関する病態解明及び創薬研究
  3. 伝承薬・サプリメントの神経細胞保護作用に関する研究
最近の研究成果
  1. Effect of an inducer of BiP, a molecular chaperone, on endoplasmic reticulum (ER) stress-induced retinal cell death. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 50, 334-344 (2009)
  2. Edaravone, a free radical scavenger, protects against retinal damage in vitro and in vivo. J. Pharmacol. Exp. Ther., 329, 687-698 (2009)
  3. Combination treatment with normobaric hyperoxia and cilostazol protects mice against focal cerebral ischemia-induced neuronal damage better than each treatment alone. J. Pharmacol. Exp. Ther., 330, 13-22 (2009)
  4. Bilberry and its main constituents have neuroprotective effects against retinal neuronal damage in vitro and in vivo. Molecular Nutrition and Food Research, 53, 869-877 (2009)