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薬物送達学大講座                            

製剤学研究室
Pharmaceutical Engineering

教授 竹内洋文 准教授  戸塚裕一 副手 久世奈津子
Professor
Hirofumi Takeuchi
Associate Professor
Yuichi Tozuka
Assistant
Natsuko Kuze
takeuchi@ tozuka@ kuzen@
※メールアドレスは @ 以下に gifu-pu.ac.jp を付加してください.
 
 製剤学講座は竹中秀雄初代教授(1954-1983)、川島嘉明教授(1983-2005; 現在、岐阜薬科大学名誉教授、愛知学院大学薬学部教授)の後を受け、現在は竹内洋文教授(2005-) を中心として上述のスタッフにより運営されています。また平成19年から学内組織改革により、薬物送達学大講座 製剤学研究室となりました。 研究内容は、教室創設時以来の粉体工学を中心とした製剤学を中心として各テーマを進展させてきました。竹中教授時代からの噴霧乾燥法を利用した製剤設計、 川島教授時代からの晶析造粒など特徴ある製剤プロセス・製剤設計に関する研究を中心に発展させています。また、半田哲郎助教授(1983-1988:現在京都大学院薬学研究科教授) によりテーマとして導入されたコロイド分散系の科学も製剤の研究課題として展開が進み現在では教室の重要な研究課題の一つとなっています。

  製剤学研究室は日本における製剤研究のメッカを目指して、製剤設計、製剤プロセスの研究を展開しています。特に、高効率、低侵襲薬物投与法の開発を目標とし、 粉体工学およびナノテクノロジーを活用してドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発する基礎ならびに応用研究を行っています。 図1には、各プロジェクトのキーワードを、目標とする剤形、粒子形態のマトリクス上に並べて示しました。これらの研究課題は、いずれも粒子設計をキーワードとしています。 なお、現在の研究の概要、そのコンセプトに関しては学会誌(薬剤学,65, 273-278(2005))に詳述しています。

近年開発される薬物は難溶性、難吸収性なものが多く製剤学的な強く望まれています。当教室の 経口剤に関する研究はこのニーズに応えることを目標としています。 この内、リポソームなどの微粒子に粘膜付着特性を付与してインスリン、カルシトニンなどのペプチド性薬物の消化管吸収を可能にする研究が注目を集めています。 図2にはキトサンコーティングリポソーム(CsLip)によりペプチド性薬物の消化管粘膜透過が促進されるコンセプトを示しています。 図中の写真はCsLip投与後のラット小腸切片の共焦点レーザー顕微鏡写真で、粒子が腸管組織内に浸入していることを表しています。 CsLipのこのような挙動によって封入されたインスリン、カルシトニンは長時間に亘り薬理効果を示すことが明らかとなっています。 これらの現象を、培養細胞等を用いて詳細に解明するとともに、同様なコンセプトで眼、肺などの粘膜からの薬物透過の向上、作用の持続化を狙っています。 また、投与法、薬物特性に最適な微粒子製剤を設計するため、高分子ナノスフェア、複合エマルションなど種々のナノ粒子の調製、 粒子表面設計を並行して検討しています。
固形製剤の研究は、難溶性薬物の溶解性改善と錠剤設計を中心に行っています。前者では、微粒子を担体として、噴霧乾燥法を用いる独自の固体分散体設計について成果を収め、 最近では、多孔性シリカ、メソポーラスシリカを担体として用いて、長時間の過飽和現象、徐放化など現象を見出しています。後者については、圧縮成形性の新たな評価法を確立すると共に、 近年注目を集めている口腔内速崩壊錠の新しい設計法を開発しました。
図1 製剤学研究室で行われている
研究プロジェクトのキーワード
図2 ナノ粒子製剤設計戦略
研究課題
  1. 薬物、遺伝子の送達に最適なナノ粒子(リポソーム、リピッドエマルション、生分解性高分子ナノスフェア)の設計
  2. ナノ粒子の体内挙動に関する研究(粘膜付着、細胞−粒子相互作用)に関する研究
  3. 圧縮成形プロセス(打錠)および口腔内速崩壊錠の設計の開発に関する研究
  4. 薬物の溶解性、吸収性向上のための粒子設計法の構築、プロセス開発に関する研究
最近の研究成果
  1. The effect of particle structure of chitosan-coated liposomes and type of chitosan on oral delivery of calcitonin, J. Drug Targeting, 14, 147-154 (2006).
  2. Mucopenetration of submicron-sized, chitosan-coated liposomes designed for oral administration of peptide drugs. Int. J. Pharm., 303, 160-170 (2005).
  3. Effect of lubrication on the compaction properties of pharmaceutical excipients as measured by die wall pressure, J. Drug Del. Sci. Tech., 15, 177-182 (2005).
  4. Novel mucoadhesion tests for polymers and polymer-coated particles to design optimal mucoadhesive drug delivery systems, Advanced Drug Delivery Review, 51, 1583-1594(2005)