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創薬化学大講座                              
合成薬品製造学研究室
Synthetic Chemistry
教授 伊藤 彰近 准教授 三浦 剛 助教 多田 教浩
Professor
Akichika Itoh
Associate Professor
Tuyoshi Miura
Assistant Professor
Norihiro Tada
itoha@ miura@ ntada@
※メールアドレスは @ 以下に gifu-pu.ac.jp を付加してください.
 
 合成薬品製造学教室は、新制岐阜薬科大学が誕生してまもなく開設され60年近くが経ちました。合成薬品製造学教室は発足以来,医薬品合成の基礎的および応用研究を大きな柱にすえており,初代鍛冶健司教授の窒素環化合物の合成研究,二代目正木幸雄教授による入手容易なキラルプールを用いる生物活性天然物の合成反応、そして2007年4月より三代目伊藤彰近教授によりグリーンケミストリーを指向した有機合成反応の開発へと引き継がれております。
 21世紀は,生活を豊かにする多くの物質を生産する一方で,環境への負荷を社会に強いることとなりました。環境にやさしく経済的な化学技術の整備が要請される時代に突入しており,有機合成化学の分野でも将来を見据えた化学つまり,環境に配慮した反応論,合成論の確立が望まれてきています。そのような背景において、当研究室では“環境に優しい”製造プロセスの開発および実用化を研究の中心に据え、創薬プロセスにおける環境負荷低減を目指して研究を行っています。
 光と分子状酸素を利用する酸化反応:有機合成において、基本的で最もよく用いられる反応である酸化反応での効率化は産業界に寄与する焦眉の課題となっています。当研究室ではクリーンエネルギーの代表である“光”と“酸素”を用いた“ヒトと環境に優しい”製造プロセスの開発および実用化を目指して検討を行っています。そしてこれまでに、触媒量のハロゲンソースを用いることで、紫外光・可視光いずれの照射条件においてもアルコール類や一般に困難とされている芳香環上メチル基を対応するカルボン酸やアルデヒドへ酸化することに成功しています(図1)。本反応は、重金属や複雑な有機化合物を用いる従来法に比較して、ヒトと環境に優しい酸化法ということができます。

図1.各種ブロムソースを触媒とする光酸化反応
 ゼオライトやメソポーラスシリカを用いた有機合成反応:有機合成反応においては,反応促進,選択性及び実用性の観点から反応場に関して様々な工夫が成されています。その中で,再利用を目的とした分離のしやすさ,高分子特有の構造に起因する形状選択性の点から固体高分子が注目を集めています。当研究室では、その中でも特にゼオライトやメソポーラスシリカといった化合物群に注目し、その特殊な構造に起因する反応の開発を検討しています。そしてこれまでに、その酸性および光触媒活性を利用した各種反応を見出しました(図2)。ゼオライトやメソポーラスシリカは後処理や回収・再利用が簡便であることから、グリーンケミストリーの概念に叶った方法を提供することができ、今後さらなる展開が期待できます。

図2.FSM-16による酸化的光脱炭酸反応
研究課題
  1. 分子状酸素を利用する環境負荷低減型酸化反応の開発
  2. 光を利用する環境負荷低減型新規反応の開発
  3. ゼオライト等無機多孔性物質の有機合成的応用研究
  4. 合成化学的に有用な新反応剤及び触媒の開拓
最近の研究成果
  1. Hirashima S.; Itoh, A.
    Aerobic Oxidation of Alcohols under Visible Light Irradiation of Fluorescent Lamp. Green Chem., 9, 318-320 (2007).
  2. Nakayama Hiroki; Itoh, Akichika
    Synthesis of Phenacyl Iodide from Styrenes under Visible Light Irradiation of Fluorescent Lamp. Tetrahedron Lett., 48, 1131-1133 (2007).
  3. Itoh, A.; Hashimoto S.; Kuwabara, K.; Kodama T.; Masaki, Y.
    Facile solar oxidation of alcohols with molecular oxygen. Green Chem.,7, 830-832 (2005).
  4. Itoh, A.; Kodama, T.; Inagaki, S.; Masaki, Y.
    Oxidative photodecarboxylation of ?-hydroxycarboxylic acids and phenylacetic acid derivatives with FSM-16. Org. Lett., 2, 331-333 (2000).