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臨床薬剤学研究室

研究テーマ Research Interests

医薬品の適正使用のためには、まず病態を正確に知ることが必要であるという考えから、本研究室では、病態の把握・発症機序の解明、医薬品候補化合物の探索、医薬品の薬効評価法の確立を目的とした研究を進めている。具体的には、糖尿病関連疾患、神経変性疾患、動脈硬化などの炎症病態の発症・進展と活性酸素消去酵素の発現・存在様式の変化との関連性の解明、大気圧プラズマの医療応用に向けた分子基盤の確立、抗酸化ストレス、抗炎症作用を有する新規化合物の探索を目的とし研究を続けている。また、これら研究の過程で、我々は、細胞傷害の元凶といわれている活性酸素についても、低濃度範囲では、逆に酸化ストレスに対する生体の抵抗性を増大させる防御機構として、あるいは細胞内シグナル伝達分子として重要な働きを担っていること見出した。最近は、以下のテーマについて精力的に研究を進めている。

  1. 大気圧プラズマの医療応用:プラズマはラジカル、電子、イオンを含んだガス状物質である。プラズマを細胞に負荷したとき、がん細胞特異的な細胞死が誘導されることが報告されたことから、プラズマは新しいがん治療として注目されている。本研究室では、プラズマ負荷により惹起される細胞応答の分子機構の解明を目指している。
  2. 脳梗塞時に生じる神経細胞傷害の分子機構:脳梗塞時には脳内の亜鉛恒常性破綻に起因する亜鉛依存性の神経細胞傷害が生じる。最近、亜鉛はカルシウムに代わるシグナル分子として注目されており、現在は、酸化ストレスと亜鉛シグナルの観点から神経細胞死の分子機構の解明に取り組んでいる。
  3. 抗酸化酵素の発現調節機構としてのエピジェネティクス:エピジェネティクスは塩基配列によらない遺伝情報の発現制御機構であり、ガンや血管系疾患の発症・増悪への関与が示唆されている。血管系疾患発症の原因となる単球細胞からマクロファージへの分化過程における抗酸化酵素の発現調節機構を、エピジェネティクスに着目し検討している。
研究課題 Research Objectives
  1. 大気圧プラズマによる細胞応答の分子機構
    Molecular mechanism of cellular response to non-thermal atmospheric pressure plasma
  2. 抗酸化および抗炎症作用を有する化合物の探索
    Exploratory study of anti-oxidative and anti-inflammatory compounds
  3. 亜鉛の恒常性破綻が起因する神経細胞死の分子機構の解明
    Zinc signaling related to neurotoxicity
  4. エピジェネティクスによる抗酸化タンパク質発現制御機構
    Epigenetic regulation of anti-oxidative enzymes
最近の研究成果 Research Results
  1. Kamiya T., Nakahara R., Mori N., Hara H., Adachi T., Ten-eleven translocation 1 functions as a mediator of SOD3 expression in human lung cancer A549 cells, Free Rad. Res., 51, 329-336 (2017).
  2. Hara H., Sueyoshi S., Taniguchi M., Kamiya T., Adachi T., Differences in intracellular mobile zinc levels affect susceptibility to plasma-activated medium-induced cytotoxicity, Free Rad. Res., 51, 306-315 (2017).
  3. Horiba M., Kamiya T., Hara H., Adachi T., Cytoprotective effects of mild plasma-activated medium against oxidative stress in human skin fibroblasts, Sci. Rep., 7, 42208 (2017).
  4. Adachi T., Nonomura S., Horiba M., Hirayama T., Kamiya T., Nagasawa H., HaraH., Iron stimulates plasma-activated medium-induced A549 cell injury, Sci. Rep., 6, 20928 (2016).
  5. Makino J., Ogasawara R., Kamiya T., Hara H., Mitsugi Y., Yamaguchi E., Itoh A., Adachi T., Royal jelly constituents increase the expression of extracellular superoxide dismutase through histone acetylation in monocytic THP-1 Cells, J. Natl. Prod., 79, 1137-1143 (2016).

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